最近は、例のトンデモ中イキ・脳イキ施術者の「注意喚起」の記事ばかり書いていて、このサイトの本来の趣旨である、セックスに目を向けたエントリーがおろそかになっていました。
もちろん、引き続き、「注意喚起」はしていくつもりですが(本人、全く反省する様子がないようですので)、そろそろ読者の皆様のお役に立てるような記事も、少しずつ書き進めていきたいと思っています。
今回は、ここ最近読んだものの中で、最も印象に残った記事を紹介して、僕なりの考えをお伝えできればと思っています。
「フランスの避妊は『女性のピル使用』が大多数である深い理由」
まずは、「現代ビジネス」に掲載された、その記事をご紹介します。
「フランスの避妊は『女性のピル使用』が大多数である深い理由」
著者は、フランス在住のライターである髙崎順子さん。東京大学文学部卒業後、都内の出版社勤務を経て渡仏。書籍や新聞雑誌、ウェブなど幅広い日本語メディアで、フランスの文化・社会を題材に、寄稿されています。
僕は、髙崎さんが書かれた『パリのごちそう:食いしん坊のためのガイドブック』(主婦と生活社)という本が大好きで、たまたまSNS上で流れてきたこの記事に、髙崎さんのお名前を見つけて読ませていただいたのですが、本当に色々なことを考えさせられました。
詳しくは、本文をお読みいただくとして、要点だけ簡潔にまとめると、以下の通りになります。
・フランス女性の大半は、ステディな恋人同士になったら、その男性とのセックスではピルで避妊をする。
・子どもを持つことで、人生の全てが大きく影響を受けるが、妊娠は女性の体にしか起こらない。だから、女性が自分でコントロールすることが大切であると、フランス人は考える。
・フランスでは、医学的避妊(ピル、パッチ、子宮内避妊具等)の大半は、医療保険の適用範囲内となり、自己負担35%で利用できる(日本では、これらの避妊手段は保険適用外)
・女性が自分で避妊できる、妊娠出産するかしないかを決められる社会は、「女性が男性に支配されていない」という証でもある。
・対する日本では、大多数が男性側の避妊で、方法としては、85.5%がコンドーム、次いで膣外射精16.5%が続く。女性側の避妊である「オギノ式」は6.1%、ピルは4.6%と明らかに少数派である。
・日本では、制度的にも、妊娠・出産に関する「女性の自己決定」の範囲が小さく設定されており、その根底には、「女性避妊はダメだが中絶はよろしい」という意識がある。それは、「妊娠は女性の体にしか起こらない。しかし、それをコントロールしているのは男性である」ということを示唆している。
・ただし、相対的に、日本人男性の避妊への意識は高い。その美点はそのままに、女性も主体的に、避妊で「身を守る」意識を持てれば良いのではないか。
避妊への意識の裏にあるもの
この記事は、両国の避妊を巡る状況について、「フランスは進んでいる、それに比べて日本は・・・」と、単純に比較し、片一方を貶めることを意図したものではありません。
例えば、本記事では、フランス人男性の多くは、パートナーである女性が、「当然、ピルで避妊をしてくれるものだ」と思い込んでいるので、逆に、コンドームの使用を含む、自発的な避妊への意識が低いことが指摘されています。ただ、AIDSの流行を機に、性病を防止するためにコンドームを使用する男性が増えていることも、事実として挙げられています。
日本では、制度的(法的)な理由もあって、避妊におけるピルの利用度は低いものの、調査に対して「避妊をする」と回答した男性(全体の5割)の中で、コンドームを使用する比率は8割を超えています。これは、日本人男性の避妊への意識(責任意識)が比較的高いことを示しているわけですが、結局は、「避妊をするかしないか」を含めて、その選択と責任が、男性側にほとんど委ねられてしまっているということを意味します。
だからこそ、髙崎さんは、日本でも、女性が主体的に、避妊で「身を守る」意識を持つべきであると訴えます。さらに、避妊と性病予防は男女共通の問題であると男も女も理解し、コミュニケーションをとることを心がける。そうすることで、望まない妊娠がもたらす悲劇を、確実に減らすことができるだろうと主張されます。
そして、「蛇足を恐れつつ」と前置きした上で、髙崎さんは、日本が世界に名だたるセックスレス大国であることは、避妊の責任が男性に、妊娠の負担が女性にだけ偏り、それを語り合うこともままならない日本社会の在り方が影響しているのではないかと書かれて、記事を締めくくっています。
日本におけるセックスレスと避妊
実は、僕がこの記事を読んで一番考えさせられたのは、髙崎さんが最後に挙げられていた、「セックスレス」についての箇所においてでした。なぜなら、体験を受けてくださる女性を通じて、様々なカップルの性生活について知ることが多い僕にとって、セックスレスは身近な問題だとも言えるからです。
幸いにも、体験を受けられる女性の多くは、パートナーとのセックスをより良いものにするために、中イキ開発を希望されます。ですが、一定数の女性は、パートナーとのセックスレスに悩んでいらっしゃいます。
日本人のセックスレスの原因については、日常生活の中でのスキンシップの少なさ(例えば、挨拶でハグをしたり、キスをしたりする習慣がないこと等)、「セックスは若い人がするもの」という思い込みが強いこと、労働環境の影響で、帰宅後にセックスをするには疲れすぎている、あるいは、する時間がほとんどとれないこと等々、これまでに様々な考察がなされてきました。
ですが、セックスレスに、避妊の責任の所在とその認識とが関連しているとは、考えてもみませんでした。
先程は、意図的に省略したのですが、髙崎さんの記事には、「蛇足を恐れつつ」という言葉の後に、こう書かれています。
最後にひとつ、ピルやコンドームより有効な避妊法について触れておきたい。それは「セックス自体をしないこと」である。
(引用 フランスと日本の「避妊と中絶は、こんなにも違っていた p.4)
つまり、妊娠の責任を一方的にとらされる男性と、その負担を一人で背負うことになる女性とが、暗黙のうちに、「セックスなんて面倒なこと、むしろ、しない方が良いよね」という結論を出してしまっている。それが、日本人にセックスレス・カップルが多い原因の一つではないかというのです。この提言に、僕は思わず、「なるほど~」と唸ってしまいました。
では、どうすれば、そうしたカップルが、セックスレスを回避できるのかを考えると、それはやはり、「避妊について語り合うこと」なのだと思います。そうすれば、避妊の責任と妊娠の負担をカップルで共有しつつ、妊娠を避けるための最良の選択を模索することができるからです。
髙崎さんが記事の中でお示しになっている通り、健康保険の問題もあり、日本では、女性がピルを気軽に使用することは難しいのが現状です。ですが、ピルを使わなかったとしても、セックスに臨む男女が、避妊について情報やお互いの意見を交換することは、十分可能だと思います。
例えば、一緒にコンドームを選んでみる。女性が、男性にコンドームを装着してあげる。殺精子剤を女性が用意して、セックスで使用する等々、女性が自ら避妊に関与するための手段はあろうかと思います。
特に、コンドームについては、その構造や正しい装着法も含めて、女性も積極的に情報を入手し、パートナーの男性との間で共有することが大切であると思います。なぜなら、コンドームは、正しく使用すれば、安全で成功率も高い避妊具なのですが、それでも3~14%の失敗率が報告されている裏には、誤った使用法による破損や脱落のケースがあるからです。
とくに、若い男性にその傾向があるのは、友人間の話やネットや雑誌等の情報から、「コンドームは、スマートに、素早く装着しないと、ムードが台無しになり、女の子に嫌われる」という思い込みを持ってしまい、焦ってコンドームを装着しようとして失敗するパターンが多いからだと思われます。
確かに、「ゴムをはめる」という行為は、格好良いものではありません。それまでの愛撫の流れも途絶えますし、一瞬の間ですが、「現実に戻ってしまう」のも確かです。ですが、そのことで「ムードが台無しにされた」といって怒る女の子は、実際には、ほとんどいないと思います(経験の少ない、若い女の子ならあり得るかも知れませんが、それで嫌われてしまうくらいならば、その子とは縁がなかったと思えば良いでしょう。自分のことを大切に考えてくれる男性のことを、そういう目でしか見られない女性とは、お付き合いを続けても良いことはないかと思います)
ちなみに、僕は、コンドームを装着する際には、そのことを必ず女性に告げるようにしています(同意を得られた女性には、殺精子剤も併用します) しかも、それなりの時間をかけて、しっかりと装着できているかの確認をします。避妊をしていることを、女性に分かるように提示することで、女性が妊娠の不安から解放され、安心感を得て、それが中イキの達成に良い影響を与えると信じているからです。もちろん、その間、愛撫は中断せざるを得ませんが、それは、セックス自体が中断することではありません。装着しながら、女性の内ももにキスをしたり、言葉で気持ちを高めたり、性的興奮を維持させるための方法はいくらでもあります。
ただ、実際には、「性は恥ずかしいもの」、「性について、大っぴらに語ることはタブー」という、日本人特有の意識があるため、男女がセックスについて話をすることのハードルが想像以上に高いことは確かです。とくに、女性の側の心理的抵抗は強いようで、髙崎さんも、「セックスも避妊も私にはまだ『ひめごと』の意識が抜けず、フランス人の夫相手に正面切って話すのは、なかなか骨が折れることだった」と書かれています。
そうした抵抗感を克服するためには、少しずつでも良いので、セックスに関する正しい知識と情報を得るための努力を、女性がすることが効果的ではないかと思います。知らないことが多いからこそ、それは「ひめごと」になってしまうからです。
それと同時に、男女を問わず、セックスについての正確な情報を得られて、それを自由に交換できる場というものも必要であると思います。
例えば、以前このサイト(【話題の本】『セックスで夢を叶える』の、この一言が心に響いた!)でも紹介させていただいた、「ハッピーセックスクリエイター」の玉袋 薫(たまぶくろ かおる)さんのポッドキャスト「エッチな女子会」ですとか、性に関する情報を積極的に配信されているAV監督の二村ヒトシさんが開催するイベントですとか、「愛の脳イキ」を提唱されているトーリー佐藤さんとか、直リン禁止なのでURLは貼りませんが、長年にわたってセックスに関する膨大な量の情報を提供してくださっているサイト「心と身体の満足するセックスのススメ」ですとか、様々な分野でセックスというものに触れ、見つめなおす場は用意されています。
僕自身も、微力ながら、まずは女性の読者に、そして、そのパートナーである男性に、セックスについて、ちょっと立ち止まって考えていただけるような記事を提供したいと考えております。
最後に、記事の中に登場する、フランスのフェミニズムメディアの50代男性編集長の言葉を紹介して、この記事を書き終えようと思います。
だからこそ、二人で話すのが大切だと思うんです。妊娠は女性しかしないけれど、その前のセックスは、男もするものだから。それに恋人とセックスの話をするのって、単純に楽しいことでしょう?
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