「イク」とは、どういう状態なのか? 「脳イキ」から考えるオーガズム ③

中イキセラピー

「イク」とは、どういう状態なのか? 「脳イキ」から考えるオーガズム ②からのつづきになります。

脳に直接「性的快感」を積み上げるアプローチ

中イキは、脳への「性的快感」の蓄積の必要性が高いイキ方ではあるのですが、それでも、指やペニス等を用いた、膣内への物理的な刺激を伴うものです。こうした、物理的な刺激を与えるのとは別のアプローチで、直接、脳に性的快感を積み上げようとするやり方があります。

一般的に「脳イキ」という言葉が使われる時、こうした手法を意味することが多いと思います。

「脳イキ師」、「脳イキカウンセラー」、「脳イキマスター」と称する方々の多くが、この意味での脳イキ開発を提供しています。その手法には個人差があるのですが、主に使われているのが、言語誘導やイメージ(妄想)によって、脳イキを誘発するものです。

言語誘導による脳イキ

被験者(=オーガズムに達したい人)に文章を読ませる、あるいは声を聴かせるなど、何らかの形で言語を用いてオーガズムを誘発することを、「言語誘導による脳イキ」といいます。

ただし、実際には、文章を読ませるだけで脳イキを達成させることは大変難しいですし、ほとんど行われていないと思います。

被験者が文章を読むためには、目を開けてそれを行う必要があるため、意識を内側に向けることが難しくなります。官能小説を読みながらオナニーする人はいるでしょうが、官能小説を読むだけでオーガズムに達してしまう人は、ほとんどいないと思われます。

さて、声を聴かせることで脳イキを誘発するのには、いくつかのやり方があります。脳イキのための音声をアップしているサイトは数多くありますし、脳イキのサービスを提供されている方々は、直接か、あるいは間接的に、音声通話による言語誘導を行う形が多いと思います。

例えば、「オナ指示」と呼ばれる、誘導者が被験者に、連続して性的なイメージを持つように指示を与えることでオーガズムへと導いたり、 ドラマ仕立ての誘導を行うやり方も良く知られています。

遠隔での脳イキのサービスを提供されている方は、ほぼ間違いなく、音声誘導をされているはずです。中には、性エネルギーを遠隔で送ることで、女性を脳イキさせることができるという男性がいらっしゃいましたが、本当だとしたらすごいことだと思うのですが、こうした場合でも音声誘導を補助的に使用しているのは間違いないはずです。

催眠による脳イキ

こうした音声による言語誘導の代表的技法が、催眠です。実際に、催眠誘導を行う施術者の中には、「すべての音声誘導は、催眠誘導なのだ」と考えている方も多くいらっしゃいます。

僕自身も、基本的にはその考え方に賛成なのですが、一つだけ絶対的に異なる部分があると思います。それは、催眠誘導は、施術者がこれから催眠をかけるということを明らかにして、被験者がそれを承知し、納得した上で進められるものだということです。つまり、「催眠」という現象(技術)を媒介として行う音声誘導が催眠誘導であるというのが、僕の考えです。

例えば、セックスで挿入しながら、より興奮を高めるために、男性から女性に声掛けをすることがありますよね。こうした、言葉で性感を高めてオーガズムを誘発することも音声誘導の一つなのですが、これといわゆる催眠は、やはり違うものではないのかと、個人的には思います。

さて、催眠による脳イキを行う際は、催眠誘導によって、被験者を催眠状態(トランス状態や変性意識状態とも呼ばれる)へと導くことからはじめます。人が催眠状態に入ると、一つの物事への集中が起こりやすくなります。

そのとき、誘導によって、催眠の施術者の言葉に集中をさせると、周囲への意識の減弱が起こり、施術者が与える言葉への反応性が高まります。これを、「被暗示性が高まった状態」といいます。

こうして被暗示性が高まった状態で、施術者が与える暗示の内容によって、催眠の方向性も当然変わってくるのですが、脳イキを目的とした場合、性的興奮を高めたり、脳への性的快感の蓄積を起こすような暗示を入れていきます。

例えば、性的興奮を高めるのであれば、「あなたの手の甲が敏感になる」という暗示を入れておいて、最初はくすぐったさを感じさせてから、「そのくすぐったい感覚が、だんだん性感へと変わってくる」と、感度の方向性を徐々に性的な方向へと変えていきます。

このとき、初心者にありがちなことですが、いきなり「胸に触れられただけでイってしまう!」みたいに、何の前触れもなく絶頂を引き出そうとしても、絶対にうまくいきません。

普通のセックスで、キスからはじまり、じっくりと愛撫をしてから挿入、そしてオーガズムへと達するのと同じように、催眠であっても、一つひとつのプロセスを重ねることで、ようやく女性に性的興奮、絶頂を感じさせることができるようになるのです。

ただ、催眠では被験者の被暗示性が高まった中で、集中力とイメージ力を効果的に使うことができるので、絶頂に至るプロセスを早めることができます。

脳への性的快感の蓄積のための暗示例としては、「自分の感じる声を聞けば聞くほど、どんどん気持ち良くなってくる」というのがあります。

気持ち良さに声を上げる→その声を聞くことで、さらに気持ち良くなって、声を上げてしまう→その声を聞いて、さらに、さらに気持ち良くなって、声を上げてしまう、という快感の無限ループを作るのです。

また、「数を数えるごとに感度が増していく」というのも効果的です。1から10まで数字をカウントしていく中で性感を高めていき、「10で絶頂に達する」という暗示を与えておけば、女性にとってもオーガズムに達するためのタイミングを計ることができ、使い方によっては、この暗示が中イキ開発の決定打になることさえあります。

被験者の被暗示性が高まった状態で、脳への性的快感の蓄積が正しく行われると、暗示を与えるだけで脳がオーガズムを感じることができるようになります。

これがいわゆる「触れずに、言葉だけでイク」という状態です。

実際には、暗示に反応して被験者が自らの筋肉を収縮(緊張)させ、指示したタイミングで一気に弛緩することで脳への刺激を誘発するわけですから、純粋に脳の働きだけで絶頂に達しているわけではありません。

ですが、施術者はおろか、被験者本人でさえも指一本性感帯には触れませんので「言葉だけでイク」という表現は決して大げさではないと思います。

体験の場でこの催眠が成功すると、その都度、人間の脳と意識の働きの不思議さに魅了されてしまいます。かけている側の人間ですらこんな感じですから、かかっている側の女性の驚きは相当なものだと思います。

この催眠に関して、大変興味深いことがあります。それは、体験された女性に尋ねると、ほとんどの方が、「言葉だけでイク」のと「実際のセックスでイク」のとでは感覚が異なるとお答えになることです。

もちろん、個人差はあるのですが、いただいた感想をまとめてみると、言葉だけでイクときは、セックスでイクときよりも「やわらかい」イキ方をするのだということでした。「じわじわと高まってきて、ふわっとイク」という表現をされた方もいらっしゃいました。まあ、ペニスで突かれたりといった物理的な刺激がないわけですから、なるほどという感じもします。

催眠と中イキ開発

僕が提供する体験では、中イキ開発の中心に催眠を置いているのですが、それにはいくつかの理由があります。

まず、催眠は心身をリラックスさせるのに、たけた技術であるということが挙げられます。体験では、僕とご利用者さんは基本初対面ですから、相当の緊張が起こります。その緊張を出来る限り早くほぐし、中イキ開発に必要なリラックス状態を生み出すのに、催眠の力が役に立ちます。

体験では、いきなりエッチな催眠をかけることは決してありません。まずは不思議な、楽しい催眠から試していきます。これも、心身のリラックスのための大切なプロセスとなります。

次に、トランス状態(変性意識状態)に入ると、人間の快感が大幅に強化されるという特性を利用するために、催眠を使うということがあります。このメカニズムには諸説あるのですが、催眠を通じて、人間の理性(大脳新皮質)を一時的に抑えることで、本能的な欲望や感情といった大脳辺縁系の働きが活性化するのだという説を、僕自身は信じています。

もう一つ、個人的にはこれが一番重要だと考えているのですが、被験者に「自分は催眠にかかっているのだから・・・」という認識を与えることで、普段の意識状態とは違う興奮を、脳にもたらすことが期待できるということが挙げられます。

つまり、良い意味で「淫らになるための言い訳を与えてあげる」ことです。

普段であれば、理性や道徳観や羞恥心で解放することが難しい心身を、催眠という舞台に上げることで、それを可能にするのです。「催眠にかかってたんだから、まあ、仕方ないよね」ということです(笑)ただし、ここは舞台の上ですから、そこから降りればいつでも普段の自分に戻ることができます。この安心感もまた、中イキのための好条件を生み出してくれるのだと思います。

まとめ

最後に、ここまで書いてきたことの、まとめをしておきたいと思います。

① 脳イキの「本来の」意味は、単純に、人間がオーガズムを感じている脳の状態を意味するものであって、すべてのオーガズムは脳イキ(という状態)である。

② クリイキ(外イキ)は、感覚神経(末梢神経)への刺激を蓄積させることで(累積的な性的緊張)、オーガズムを誘発する行為である。

③ 中イキは、「迷走神経」の一種である「膣神経」への刺激を蓄積させることで(累積的な性的緊張)、オーガズムを誘発する行為である。

④ クリイキも中イキも、どちらも「本質的には」、脳が「性的快感」を認識することでオーガズムが起こる。

⑤ ただ、感覚神経と比べると、迷走神経の感度と働きは鈍いので、中イキの達成のためには、直接的な刺激に頼らずに、脳で快感を認識させる必要性が高まる。

⑥ そうした、脳への「性的快感」の蓄積の方法の一つとして、言語誘導がある。一般的に「脳イキ」という言葉が使われるとき、この言語誘導(と、そのための技術)を意味することが多い。

⑦ 言語誘導の中心は音声誘導で、なかでも催眠誘導を目的とした音声誘導が多く行われている。

⑧ 催眠では、被暗示性を高めることによって、性的興奮を高めたり、脳への性的快感の蓄積を起こすことが容易になるため、脳イキがしやすくなる。

⑨ そのため、催眠と中イキ開発はとても相性が良い。

 

最後は、催眠の宣伝みたいになってしまいましたが(笑)、僕が一番言いたかったことは、女性の絶頂を引き出すためには、脳で性感を認識させ、それを積み上げていく必要性が高いということです。男性がそのことを意識しながら愛撫を行うだけでも、女性の反応は大きく変わるはずです。

そして、「脳イキ」という言葉が、そうした意識を高めるために使われ、施術者が正しい性感のメカニズムを理解したうえでそれを行うのであれば、それは素晴らしいことであると僕は思います。少なくとも、「脳イキ」という言葉を口にした時点で、その男性は身体だけに頼った雑なセックスはしない、というかできないでしょうから。

* * * * * *

* ご感想をお読みになりたい方は、こちらへどうぞ →「ご利用者様リスト」

* 中イキセラピーにご興味のある方は、「お申し込みフォーム」からご応募ください。

* 記事が気に入ったら、下のSNSボタンを「ポチッと」押してくださいね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました