僕は最近、神経伝達物質、いわゆる「脳内物質(脳内麻薬)」の研究に没頭しています。
あ、没頭しているというのは嘘です(笑) 仕事もそこそこ忙しいので、その合間に関連本を読んで、少しずつ勉強しているという感じです。
神経伝達物質(今回の記事では、以下、これで通します)の研究は、中イキ開発の成功率を高めるためにはじめました。まだ、着手したばかりで、学ばなければならないことも多く、成果を出すには至っていませんが、自分なりに色々考えながら進めています。
そうした中で、ここ最近のセラピーでは、ご利用者様に、チョコレートを持参していただくということをお願いしています。そのチョコを、施術時に、食べていただくのです。
なぜ、セラピーにチョコが必要なのか? そこには、当然、神経伝達物質の働きがかかわってくることになるのですが、今回の記事では、チョコレートと神経伝達物質、そして中イキ(オーガズム)との関係について、お話しできればと思います(書いているうちに、かなりの長文になってしまったので、2回に分けて紹介します)
チョコレートは媚薬?
まずは、巷で喧伝されている、チョコレートの媚薬効果について、改めて考察したいと思います。
わざわざ、「改めて」としているのは、以前書いた、「中イキするためには、これを食べなさい ②」という記事の中で、僕は、チョコの媚薬効果を、「プラシーボ(偽薬)効果」であると書いたからです。
ですが、その後の研究を通じて、この認識を改める必要性が出てきました。
古来、多くの文明において、チョコレートは媚薬として珍重されてきました。チョコを食べると、あたかも、「恋に落ちた」ような感覚が生まれやすいと信じられてきたからです。そして、近年、「フェネチルアミン(phenethylamine)(PEA)(「フェニルエチルアミン (phenylethylamine) 」とも呼ばれます)」というアルカロイド(天然由来の有機化合物。脳において、神経伝達物質として機能する)の発見によって、その媚薬効果が、「科学的に証明された」と話題になったのです。
フェネチルアミンは、恋愛の初期段階で、特に多く分泌される神経伝達物質です。これが脳内で大量に放出されると、向精神作用が生じやすくなります。そのため、好きな異性を見ると、胸の鼓動が収まらず、顔が赤くなり、食事が喉を通らなくなる・・・こうした、いわゆる「恋の病」状態の背後には、フェネチルアミンの影響があると言われるようになったのです。
そして、チョコレートには、このフェネチルアミンが成分として含まれています(チーズやワインにも含まれています) そのため、異性にチョコを食べさせると、その人の脳に疑似恋愛状態を引き起こすことができるようになり、恋愛成就につながる・・・チョコが媚薬とされるのは、それが理由です。
ですが、実際のところは、フェネチルアミンが、恋愛状態にある人の脳内で多く分泌されていることが確認されただけで、フェネチルアミンの分泌自体が、恋愛状態を引き起こすことは証明されていません。また、仮にチョコを多量に摂取したとしても、モノアミン酸化酵素 (MAO-B) と呼ばれる、神経伝達物質の酸化を促進させる酵素によって代謝(分解)されるために、脳内に高濃度のフェネチルアミンが集積することはありません。
このため、結局のところは、フェネチルアミンを発見した同じ「科学の力」によって、チョコレートの媚薬効果は否定されることになりました。
キス < チョコレート?
ところが、ここからが、ちょっと面白い展開になっていきます。
2007年4月のことです、イギリス人研究者であるデビッド・ルイス博士(元・サセックス大学、現・マインドラボ所属)によって、チョコレートには、やはり、「恋に落ちた」かのように、胸をドキドキさせる効果があるのだ、という実験結果が報告されました。
BBCニュースの記事によると、ルイス博士は、20代のカップルを対象に、「チョコレートを口の中で溶かしている」ときと、情熱的に「キスをしている」ときの、心拍数と脳の活動状態を調べました。その結果、カカオ成分が60%のダークチョコレートを食べているときの心拍数は、キスをしているときよりも速くなり、安静時の毎分60拍から140拍まで、急激に上昇することが分かりました。さらに、チョコレートが舌の上で溶けはじめるとき、脳内のあらゆる箇所で、 ”brain buzz” と称される興奮状態が起こり、それは、キスをしたときと比べて、4倍以上も長く続くことも分かりました。この結果には男女差がなく、舌への刺激から得ることのできる身体の反応に関しては、情熱的なキスを交わすよりも、チョコレートを食べる方が、はるかに強く出ることが証明されました。
ルイス博士は、この実験結果について、チョコレートに含まれるフェネチルアミンとカフェインが影響を与えているとの見解を示されていますが、少なくともフェネチルアミンについては、前述した理由から、脳内での影響は少ないと考えられます。ですが、チョコに含まれる別の成分である「テオブロミン」には、穏やかな興奮作用と、血管を拡張させて血流を増やす働きがあることから、こちらの成分の影響も考えられます。
チョコレートのこうした作用を、いわゆる「吊り橋効果(心理学の実験で、吊り橋の上のような不安や恐怖を強く感じる場所で出会った人に対し、恋愛感情を抱きやすくなる現象)」と組み合わせることで、「この胸のときめきは・・・もしかしたら、恋なのかしら?」という誤解を、相手にさせることもできるのかも知れません。その意味では、チョコレートの媚薬効果というものも、あながち眉唾物ではないと言えるのではないでしょうか。
次回、【秘策】チョコレートでイク!②【保存版】へ続く。
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