催眠という言葉について
催眠(さいみん)は、科学の一分野であるところの、心理学の領域で古くから研究されてきた「技術」です。
専門的には、催眠とは、暗示を受けやすい、変性意識状態(後述)の一つなのですが、「催眠」という言葉自体は、その状態(催眠状態)、およびその状態へと導く技術(催眠法)を指す場合があります。
本ブログでは、催眠を「人を催眠状態へと誘導する技術」として定義しています。それは、「催眠術」とも呼ばれます。
催眠(術)の歴史の簡単なまとめ
催眠(術)の歴史は古く、約三千年前から、治癒や宗教的儀式のために用いられた記録があります。
例えば、古代エジプト時代に書かれた『エベルス・パピルス』という医学書に、すでに催眠を用いた療法らしき記述が見られるのですが、ここには、「眠りの寺院」という神聖なる場所で、僧侶たちが不思議な呪文を唱えると、人々が眠りに落ち、たちまち病が治ったと記されているのです。
一読すると、魔術や超常現象のように思われるかも知れませんが、実は、この治癒を引き起こしたのが、催眠の力でした。
近代の催眠(療法)は、19世紀に、オーストリアの医師フランツ・アントン・メスメルにより、はじめられたとされています。その後、1843年に、イギリスの医師ジェームス・ブレイドが、『神経睡眠学』という書物を著し、現在、用いられている催眠(ヒプノティズム)という言葉を生み出しました。
ところが、ジークムント・フロイトが、精神分析を世に広めた後は、催眠は、一時的に療法の世界から姿を消し、主に手品師の間で、エンターテイメントとしての催眠術として、広まりました。
1950年代以降は、戦争後遺症への効果的な治療法の一つとして、英国と米国で、再び療法としての催眠が脚光を浴びはじめました。1988年には、アメリカの精神科医ブライアン・L・ワイス博士が、『前世療法』を出版し、催眠が一般の人々にも注目されはじめました。
現在、催眠は、科学的に認められた、有効な心理療法として、エンターテイメントの技術として、さらには、コミュニケーションの技法として、世界中で再認知されつつあります。
催眠状態とは?
まずは、「催眠状態とは何か?」ということから説明します。
人の意識は、「顕在意識(けんざいいしき)」と「潜在意識(せんざいいしき)」に分かれているといわれています。
顕在意識とは、私たちが普段自覚している意識のことで、意図的な思考や行動を司る領域です。一方、潜在意識とは、自覚できない意識のことで、人の意識の90%以上の領域を占め、実は、顕在意識よりも、はるかに強い力を持っています。
催眠状態とは、普段、人が活動するときには優位な状態にある、顕在意識の意識レベルが低下し、相対的に、潜在意識が優位な状態になることをいいます。すると、顕在意識と潜在意識の両方がリンクして、知覚に、ちょっとした異常や変化が起こるのです。
催眠状態は、別名「トランス状態」とか「変性意識状態(へんせいいしきじょうたい)」と呼ばれるのですが、実は、私たちは、一日に何回も、自然とこの状態に入るといわれています。
例えば、「ゲームをしていて、気が付いたら、何時間も時間が経っていて驚いた」なんて体験をしたことはありませんか? もしあれば、そのときあなたは、催眠状態に入っていたということです。創造活動に集中している時なども、一種の催眠状態といえます。
他にも、映画館で映画を観ているとき、あなたは、観客の一人であることも忘れて、スクリーンの中で主役を演じているような気分になることがあると思います。そうした、臨場感溢れるイメージを引き起こすのも、催眠状態です。
催眠状態というのは、そのような深い意識レベルでの、熱中や意識の集中によって生じる、自然な意識状態であって、人工的な眠りというような、特殊なものではありません(この誤解については、後述します)
催眠状態では、心の緊張がほぐれ、不必要な抵抗がなくなり、普段よりも、自分の内面に意識が集中してきます。心理学的には、これを「選択的注意集中」と呼ぶのですが、このような状態では、潜在意識の奥底に押し込めていた記憶や感情を出しやすくなり、また、暗示も受け入れやすくなります。
催眠術とは?
前述の通り、催眠状態に入ると「選択的注意集中」が起こるので、他のことに頭を煩わせなくなります。その結果、気分が高揚したり、同じことを長時間続けても、ほとんど疲れを感じなくなったりします。こうした作用は、お酒や麻薬を摂取したときにも同様に起こるのですが、これらは薬物的な作用なので、当然副作用もあり、健康を害するもとにもなり得ます。
「催眠術」とは、この催眠状態を、薬物やアルコール等に頼ることなく、心理を誘導することで、人為的に発生させる技術です。
そうした催眠状態は、人の顕在意識の力を一時的に弱め、潜在意識に、直接指示を与えることを可能にします。
人は通常の状態であれば、目で見るもの、耳で聞くもの、肌で感じるものを、自分の意識で捉えようとします。ですが、一時的にその意識を弱められると、潜在意識が優位になって、入れられた暗示を「真実」として捉えるようになります。
例えば、催眠術師が、「あなたの手の感覚が敏感になります」という暗示を入れたとします。すると、被験者の潜在意識は、「あ、私の手は今、敏感になっているんだ」と認識します。すると実際に、感覚が鋭くなってしまいます。
通常の意識状態で、暗示の言葉を入れようとしても、顕在意識がフィルターの役目をして、暗示を遮断してしまうのですが、催眠状態では、顕在意識の力が弱まっているので、暗示の言葉が、潜在意識まで直接届きやすくなります。
催眠術では、こうした暗示を利用して、人間の本能に働きかける、様々な現象を起こしていきます。
催眠と催眠術に関する誤解
体験を考えている女性の多くは、催眠とか催眠術に興味は持っているものの、同時に「ちょっと怖い」という不安を、感じているのではないでしょうか?
「催眠」や「催眠術」という言葉自体が、怪しげな雰囲気を醸し出していますし、テレビで催眠術にかかってしまった芸人さんの姿を観たりすると、「自分もあんな風に、勝手にコントロールされてしまうのでは?」と思ってしまうのも、当然、理解できます。
実際の催眠状態というものは、誰でも、日常で体験している自然の状態であって、特殊なものではありません。ですから、以下で、催眠と催眠術についての一般的な「誤解」を例に挙げてみたいと思います。そうすることで、あなたの催眠への不安のほとんどが、消え去ると思います。
催眠術にかかると、眠ってしまうのではないか?
催眠術について、世間一般で誤解されていることの一つに、それが、「人工的な眠りを催す術である」というものがあります。実際に、「眠りを催す術」という名称がつけられているのですから、さもありなんと思われても仕方ないのですが、実際には、眠りを生み出す訳ではありません。
催眠療法が、古代エジプト時代の「眠りの寺院」で行われていたことは、前述した通りですが、人々がそこで眠っているかのようになっている状態を見て、僧侶の技術を、「眠りの術」とか「眠らせの術」と呼ぶようになったのです。そのことを学んだ、ジェームス・ブレイドが、ギリシャ神話の眠りの神の名前にちなみ、この状態をヒプノシス、そして、その状態を生み出す技術をヒプノティズムと名付けました。この単語を日本語に訳すとき、「眠りの催す術」として、催眠術と命名されたのです。
人が眠った状態は、「睡眠」であり、「催眠」ではありません。催眠術をかけるときには、被験者に目を閉じてもらうことが多いので、外見上、眠らせる術であるかのように見えてしまいますが、あれは決して眠っている訳ではなく、意識も遠のいてはいません。ただ、ゆったりとくつろいで、心地良さを感じている状態なのです。
ですから、本当は催眠術に「かかる」のではなくて、催眠状態に「入る」という言い方が正しいのです。「かかる」という言い方は、あたかも魔法にかかるかのように誤解されてしまいがちなので、専門家は「入る」という言い方を用いることが多いのですが、本ブログでは、初心者向けに、あえて「かかる」という言い方を多用しています。
催眠術にかかると、記憶がなくなってしまうのではないか?
催眠状態では、潜在意識の力が強くなり、顕在意識(私たちが普段持っている意識)の力は弱まります。ですが、弱まって入るものの、眠ったり、死んでしまっている訳ではないのです。ですから、どれだけ深い催眠に入っても、記憶はしっかりとしています。
まれに、本当に深い催眠に入ることのできる人の記憶が、一時的に飛んでしまうことがありますが、後でそれを思い出してしまうことは防げません。
「記憶を失うのではないか?」という不安を感じている人の多くが、テレビ等で、被験者が暗示をかけられて、言われたことを忘れさせられる催眠術を観てそう思うのですが、あれは本当に忘れてしまうわけではなく、一時的に記憶がなくなったという、「思い込み」をさせているだけなのです。
ですから、逆に、「別れた彼氏のことを忘れたいので、記憶をなくして欲しい」という依頼(結構、多いんです!)を受けても、それにお応えすることはできません。
知らず知らずのうちに、催眠術にかかってしまうのではないか?
基本的には、被験者が催眠誘導されることが分かっていないと、なかなか催眠にはかかりません。
そもそも、催眠は、かける側とかけられる側との間に、ある程度の信頼感(「ラポール」と呼ばれる)がないとかかりにくいのです。ですから、騙し討ちのように、知らず知らずのうちに催眠をかけようとすると、このラポールを築くことができなくなるため、かかったとしても、浅い催眠状態にしかなりりません。
そのため、知らず知らずのうちに、催眠術にかかって、コントロールされたりということは、あり得ませんのでご安心ください。
催眠商法のように、何か買わされたりするのではないか?
「催眠商法」という言葉は、かつては、最初にこの商法を始めた団体(新製品普及会)の名にちなみ、SF商法と呼ばれていました。それがいつの日か、「催眠商法」と呼称されるようになったのですが、この言葉自体が、大いなる誤解を生み出しているのです。
催眠商法は、心理学を応用した商法ですが、その場の雰囲気や言語を用いて、消費者の購買意欲を煽り、商品を購入させるを目的としたもので、催眠誘導を用いて、意識をコントロールすることはありません。催眠術というよりは、むしろ説得術や詐欺術と呼ぶ方が正しいのです。
ですから、モニター体験の中で、何かを売りつけられるのではないかというご心配は無用ですし、そもそも僕は、何も売りつけるものを持っていません(笑)
自分の意思に反して、操られてしまうのではないか?
恐らくは、多くの女性の最大の懸念が、これですね。
「気絶したような状態になってしまい、自分の意識を失って、人のいいなりになるのではないか?」、「変な暗示を知らないうちに、入れられてしまうのではないか?」といった不安ですね。
これはやはり、テレビ等で催眠術にかかった人の様子を観て、そう思われる方が多いようです。
例えば、ある芸人さんが、催眠術にかけられて、「あなたは椅子から立てなくなる」姿を観たあなたは、恐らく、「自分も、あんな風になってしまったらどうしよう?」と心配になるでしょうね。
ですが、そのときに、芸人さんの心の中で起きていることを説明すれば、あなたの不安も、払拭されるはずです。
先程、催眠状態では、潜在意識が顕在意識よりも優位になるという話をしましたが、そうすると、潜在意識の方が、先に言葉(暗示)を受け入れて、行動を起こしてしまいます。つまり、この場合は「椅子から立てなくなる」ことを、先にしてしまうのです。そして、後から顕在意識が追いついてくるのですが、その時点で、もうすでに「椅子から立てない」ことは起きてしまっているので、後から「不思議だけど、楽しいし、ま、いいか」と、許可を与えるような感じになります。
この、「ま、いいか」という感覚は、催眠にかかったことがある人なら、必ず感じたことのあるものです。
「手が開かないけど、ま、いいか」、「真水を飲んだのにウイスキーの味がするけど、ま、いいか」、「目の前にいるのはオッサンのはずなのに、自分の大好きな女優に見えるんだけど、ま、いいか」といった具合です(笑)
これらの、不思議な催眠現象の根底にあるのが、「楽しい」という感情です。どれだけ深い催眠状態に入っても、ちゃんと意識はありますし、暗示に抵抗しようと思えばできるのです。でも、「楽しいから、ま、いいか♪」 これが、催眠の仕組みです。
ですから、逆に「楽しくない」、「やりたくない」暗示には、素直に潜在意識が反応してそれを拒絶し、顕在意識もそれを後で認めます。つまり、自分が受け入れたくない暗示には、絶対に反応しないのです。
もし、そうした暗示が入れられるとどうなるか?・・・なんと、一瞬にして催眠が解けてしまいます!
催眠術が、心や身体に悪影響を与えるのではないか?
これまでにお伝えしてきたように、催眠は、人が普段から出入りを繰り返している自然な意識状態の一種ですので、それが心身に悪影響を及ぼすことは、決してありません。
ある種の精神疾患(統合失調症や境界性人格障害等)に対して、催眠「療法」を施すことは避けるべきだとされてはいますが、催眠によるリラクゼーション自体が悪い訳ではありません。
むしろ、催眠にかかることによる、良い効果に注目すべきです。
究極のリラクゼーション法ともいわれる催眠は、特に暗示を入れずとも、ストレスの軽減に役立ちます。心因性の肩凝りや腰痛などの緩和にもつながります。交感神経と副交感神経のバランスが整い、自律神経系の働きが正常化に向かい、寝つきも良くなり、ぐっすりと眠れて、翌朝もすっきりと目覚めることができます。自律神経系の調整機能や自己免疫機能を正常化する作用があるともいわれています。
かけられた催眠が、解けなくなるのではないか?
まず、大前提として、自分がかけた催眠を、しっかりと解かない催眠術師がいたとしたら、その人は失格です。もう二度と、催眠を扱うことはすべきではないでしょう。
ですが、もしかけられた催眠を、術師が解くことをしなかったとしても、しばらくたつと自然に、普通の意識状態に戻ってしまいますので、何の心配も要りません。
まともな催眠術師であれば、「もう催眠は終わりましたよ」と自覚してもらうための、「解催眠」という誘導を、最後に必ず行います。ですが、仮にそれを忘れてやらずに終えたとしても、「もう催眠は終わったのだ」と本人が理解していれば、自然に覚めてしまいます。
催眠術には、「後催眠暗示」といって、催眠状態から覚醒した後に、何かをきっかけにして発動する暗示もあるのですが、これが持続するのは、いいところ20〜30分程度、かかりが極端に良い人でも、数日間程度だといわれています。
ですから、かけられた催眠が解けなくなることは、絶対にありません!
催眠とエッチとの関係
催眠は、エッチととても相性が良いとされています。なぜなら、催眠もエッチも目指すものが同じ意識状態(トランス状態=変性意識状態)だからです。
催眠を前提に、人をトランスへと誘導した場合は、催眠トランスといって、催眠的暗示に容易に反応するようになります。これが、通常の催眠術です。そして、エッチを前提にトランス誘導を施すと、エクスタシー状態を誘発することができるようになります。それが、エッチな催眠術(エロ催眠術)です。
エッチな催眠術をかけられた女性は、感度が増し、深いエクスタシー / オーガズムへ達しやすくなります。なぜなら、催眠によって性感帯が活性化したり、脳が快感を認識しやすくなるからです。
女性の性感帯は、身体の感覚より精神面から、大きく影響されるといわれています。
1980年代の初めにGスポットという言葉を作った、神経生理学者のビバリー・ウィップル教授という方がいます。女性の絶頂、性感についての研究をされてる科学者ですが、彼が発表した研究報告に、とても興味深い事例があります。
それは、下半身麻痺の女性たちが、自分自身の生殖器を刺激することによって、オーガズムに達したという報告です。脊髄損傷のせいで、下半身への刺激自体は感じられないはずなのに、オーガズムは経験できたそうなんです。
その研究結果をまとめた教授は、以下のような結論を導きます。
「オーガズムは、必ずしも性器への刺激が必須ではない。身体のどの部分からでも起こすことができ、しかも、接触がなくても、イメージだけで絶頂に達することが可能である」
つまり、女性の性感向上の鍵を握っているのは、メンタル面であるということです。
例えば、膣の中は、実際の感覚にそれほど変動がなくても、心が強い刺激を求めるか、弱い刺激を求めるかで、気持ち良く感じる場所が違うことがあることが分かっています。ですから「こいつは、いつもここをこうやって触ってやれば、絶対感じるんだぜ」なんてことは、男の勝手な思い込みに過ぎません。
エッチな催眠術は、女性にメンタル面に直接作用を及ぼします。催眠によって意識が変性すると、理性(顕在意識)の力が弱まり、本能の部分(潜在意識)が強くなります。エッチ、つまりセックスは、人間の本能と密接に結びついた行為ですから、催眠状態では、理性をかなぐり捨てて、本能におもむくままエッチを楽しむことができるようになります。
本能をむき出しにしてエッチを楽しむと、心に溜め込んでいた感情が、すべて吐き出されます。すると、本来持っている自分の魅力も表に出て来ます。そして、感情を吐き出せば吐き出す程、エッチもどんどん良くなります。その相乗効果が、あなたを女性として、より魅力的に、幸せにすることでしょう。
もし、あなたがこれまで感情を抑え、自分に抑圧をかけたままエッチをしてきたのだとしたら、して欲しいことをすべて口に出し。したいことをすべてすればいいのです。
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