「カウンセラーって病んだりしないんですか?」【ケンタロウのお悩み相談室】

Q. カウンセラーって病んだりしないんですか?

カウンセラーって病んだりしないんですか?

友達から割と重めの相談をされたときとか、自分の気持ちが落ち込んでしまうことがあって、カウンセラーの方は毎日相談を受けていて病んだりしないのかが気になりました。

A. ケンタロウからの回答

僕の現在の本業は、医療分野の外資系職員ですが、以前は、東京都内の複数の高校や大学で、スクールカウンセラーとして勤務していました。

当時は、同僚のスクールカウンセラーや、医療機関や企業で働いていたり、あるいは独立して開業されていた、多くのカウンセラーさんとのお付き合いがありました。

そうしたカウンセラー仲間と一緒に食事をしたり、飲みに行く機会もあったのですが、そうした場で、定期的に出てくるのがこの話題・・・

「〇〇さん、病んじゃって休業中らしいよ」

カウンセラーというのは、クライアントのお悩みを解決するお手伝いをするのが仕事なのですが、その本人が「病んでしまう=自ら、いわゆる心の病を背負ってしまう」ケースが、少なからずあったのです。

「カウンセラーなんだから、そうした『病み』を回避する方法は熟知しているでしょう?」と思われた方も、おられるのではないでしょうか? 確かに、プロのカウンセラーは、そうした方法を知っています。

一般的に、カウンセラーは重めの相談には、「同感」ではなく「共感」を持ちいることで対応します。この二つの言葉は、一見似ているのですが、その意味は大きく異なります。同感とは、聞き手が主体となる感情です。例えば、クライアントがネガティブな感情を吐露した時に、「私(カウンセラー)もそう思う」と感じることが同感です。カウンセラーがクライアントに同感してしまうと、「私だったら…」といった自分の気持ちが湧き上がってしまい、ネガティブな感情に同調してしまいます。

一方、共感は相手主体の感情で、共感しているカウンセラーは「あなた(クライアント)はそう思っているのですね」という態度で、そうしたネガティブな感情を受け止めます。この場合、ただ相手の感情を受け止めればよいだけなので、自分の感情が揺れ動くことはほとんどありません。

もちろん、カウンセラーだって人間ですから、全く感情を動かされないわけではありません。それでも、自分の気持ちを封じ、あくまでクライアントが何を訴えているかに、気持ちを集中させるのです。ちなみに、カウンセリングのセッションは、1回40~50分などの枠組みで区切られていることが多いのですが、これは時間で線を引くことで、カウンセラーが集中力を維持し、同感の状態に陥らないために考えられてのことです。

それでも、病んでしまうカウンセラーがいるのは、やはり共感に徹するのが難しいからだと思います。特に、心根が優しい、いわゆる「いい人」ほど、病んでしまう率は高かったように記憶しています。こうした人たちは、カウンセラーとしても優秀で、人気も高いので、ひっきりなしにカウンセリングの依頼が入り、集中力を維持することが難しくなったことも考えられます。

ちなみに、僕自身は、現役時代から共感に徹することが割と得意で、一度も病んだことがありません。それは自身の性格から来ていることだとは思うのですが、それ以外の要因を考えてみると、海外留学の経験が大きかったと思います。

英語という論理的な思考が反映されやすい言語を用い、個人主義が浸透している社会で長年生活したことで、他者との距離感を一定に保つということが、当たり前のように出来るようになったのだと思います。

そのため、僕のカウンセリングからは、いわゆる「寄り添う」感じを受けることは少なく、人によっては「態度が冷たいな」と感じられる方もいらっしゃるかも知れません。ですが、僕自身は、これこそがカウンセラーとして正しい態度であると信じています。なぜなら、いくら僕が同感してあげたところで、問題を解決するのはクライアントご自身であり、僕がその人の悩みを背負ってあげることは出来ないからです。

逆に、共感することを通じて、カウンセラーはクライアントが抱えている問題を冷静に分析し、それをフィードバックすることが出来るようになります。その結果、クライアントは自分自身を見つめるきっかけを得られるようになるのです。

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